フォークリフト免許の取得に必要な費用・講習・試験のすべて
- 豆知識コラム
2025.10.17
目次
フォークリフト免許の取得に必要な費用・講習・試験のすべて
フォークリフト。倉庫内で荷物を運んだり、現場でパレットを持ち上げたり――現場作業に欠かせない存在です。でも、「どうやって免許を取るのか?」「いくらくらいかかるのか?」と思っている人も多いでしょう。
この記事では、制度的な枠組みから講習・試験内容、費用まで、初心者でもわかるように丁寧かつ具体的に解説します。
実際に岐阜県での講習例も交えながら、あなたが免許を取るときに役立つ情報をすべて提供します。
フォークリフト免許とは?その資格の基本情報
フォークリフトを業務で使うには、ただ「操作できればいい」では済みません。
労働安全衛生法などの法令で、適切な教育・講習を受けて修了証を得なければなりません。これが、「フォークリフト運転資格制度」です。
・大荷重 1トン以上 のフォークリフトを業務目的で運転するなら、必ず 技能講習 を受け、その修了証を取得する必要があります。
・一方、最大荷重 1トン未満 のフォークリフトを使う場合には、「特別教育(フォークリフト運転特別教育)」を修了していなければなりません
・修了証には 有効期限はない のが通常。しかし、長期間使っていない・安全性を担保するために、実務現場では定期的な安全教育や再教育を求められることが多いです。
つまり、免許と言っても「道路を走るための自動車免許」とは別物。 現場内運転資格 としての役割を持ちます。
H3フォークリフトを運転するために必要な免許の種類とは
フォークリフトを扱う際には、大きく次の二つの区分を理解しておく必要があります。
■ 技能講習(1トン以上対応)
これは、荷重 1トン 以上 のフォークリフトを運転するために、法令で義務づけられている講習です。
講習を修了し、試験に合格して修了証を得なければ、業務で使うことはできません。
■ 特別教育(1トン未満対応)
荷重 1トン未満の比較的軽いフォークリフトについては、特別教育 を受けることで運転が可能となります。
ただしこれは「講習制度」であり、「免許制度」ほど厳格ではありません。試験の形式・有無は講習機関により異なることがあります。
このように、あなたが扱いたいフォークリフトの重さに応じて、どちらの講習を受ければよいかが変わってきます。
免許取得までの流れと受講コースの選び方
免許取得は、ただ申し込めばいいというわけではありません。条件・コース選択・事前準備が大切です。
ステップ 1:受講条件の確認
・年齢要件:多くの講習で 満 18 歳以上 が受講の最低条件とされています。
・健康状態・視力・聴力など、講習機関で基準を設けている場合があります。
・すでに自動車運転免許を持っているか、過去に特別教育を修了しているかなどで、講習の 科目省略・時間短縮 が認められる場合があります。
ステップ 2:講習機関を選び、申し込む
・労働局長登録を受けた講習機関かどうかを確認しましょう。
・日程・場所・受講コース・料金を比較。
・定員制の場合が多いので、早めに予約を。
ステップ 3:講習を受ける(学科+実技)
講習では、安全知識や機械構造、そして実際の操作を順序立てて学びます。コースによって時間数が異なります。
ステップ 4:修了試験(技能講習のみ) → 修了証交付
技能講習には 学科試験・実技試験 があり、合格しなければ修了証は得られません。
特別教育では講習修了をもって修了証を交付する例が多く、試験形式は講習機関によって異なります。
技能講習と特別教育の違いを理解しよう
この二つの制度は、目的・厳しさ・時間・試験制度などが異なります。違いを整理します。
|
項目 |
技能講習(1トン以上) |
特別教育(1トン未満) |
|
対象 |
荷重 1トン 以上のフォークリフト |
荷重 1トン 未満のフォークリフト |
|
法制度 |
労働安全衛生法で義務づけられる講習 |
労働安全衛生規則で義務づけられる教育 |
|
試験 |
学科試験+実技試験が必須 |
講習終了をもって修了証発行、試験形式は機関により可/不可 |
|
講習時間・日数 |
コースによって多様(例:35時間・31時間・15時間・11時間など) (kobelco-kyoshu.com) |
標準的には合計 12時間前後(学科 6h + 実技 6h) (CIC合同会社)
|
たとえば、あなたがこれまで自動車運転免許を持っており、1トン未満のフォークリフト特別教育を修了していれば、技能講習のうち 15時間コース(短時間コース) を受けられる可能性もあります。コベルコ教習所などがそのような区分を設けています。
「特別教育だけ取ればいいかと思っていたが、将来的に 1 トン以上も扱いたくなった」という可能性を見越して、最初から技能講習を選ぶ人も多いです。
フォークリフト講習の内容と日程の概要
講習内容は、学科(座学)と実技(操作訓練)に大きく分かれます。以下に、それぞれの概要を示します。
特別教育(1トン未満対応)の内容
特別教育の教育規程において、最低限学ぶべき科目と時間数が定められています。
走行装置の構造・取扱い 2時間
荷役装置の構造・操作方法・作業方法 2時間
力学の基礎(運転に必要な知識) 1時間
関係法令 1時間
合計で 学科 6時間 + 実技 6時間 = 12時間 が基準です。ただし、講習機関により若干時間を超過して実施されることもあり、たとえば、「学科 6時間 → 実技 6時間」という流れで進め、修了証交付というパターンです。
技能講習(1トン以上対応)の内容
技能講習では、より実践的・細分化された教育が行われます。講習時間・内容はコースによって異なります。
コベルコ教習所の例を挙げると、以下のような区分があります。
|
コース |
時間 |
受講資格 |
|
F4 |
35時間 |
特別な制限なし |
|
F3 |
31時間 |
自動車運転免許を持っている者 |
|
F2 |
15時間 |
特別教育修了+運転経験 6ヵ月以 |
|
F1 |
11時間 |
大型特殊免許保有者、または一定条件を満たす者 |
学科講義や実技訓練、そして最後に学科試験・実技試験が組み込まれます。 岐阜県内でも多くの教習所で「免許なし → 35時間/5日間」「免許あり → 31時間/4日間」「特別条件者向け 11時間/2日間」などのコースが設定されており、具体的時間・料金が公開されています。
教習所で受ける講習スケジュールの一例
具体的なスケジュール例を岐阜県の教習所で見てみましょう。
・加茂自動車学校(岐阜県)
Aコース(免許なし):5日間、学科 11時間 + 実技 24時間 → 受講料 31,600 円(税込)
Bコース(普通免許等あり):4日間、学科 7時間 + 実技 24時間 → 29,600 円
Cコース(大特免許保有者):2日間、学科 7時間 + 実技 4時間 → 22,500 円
・可児自動車学校
Aコース(免許なし):5日間、学科 11時間 + 実技 24時間 → 税込 31,950 円
Bコース(普通等免許所持):4日間、7時間 + 24時間 → 29,950 円
Cコース(大特保有者):2日間、7時間 + 4時間 → 23,450 円
スケジュールは、初日集合時間・講義→実技→試験といった流れで組まれ、夕方や夜までかかる日もあります。
このように、教習所によって始業時間・終了時間・分割の仕方が異なるので、自宅から近い教習所でスケジュールを確認しておくことが重要です。
取得にかかる費用と料金の内訳
講習を受けるとき、提示される金額には「講習料」だけでなく、さまざまな付帯費用が含まれているかどうかを確認することが肝心です。
費用の構成要素(講習料金に含まれる可能性があるもの)
・学科講習料、実技講習料
・教本・教材代
・保険料(講習中の事故等に備えた補償)
・写真代、証明写真費用
・補習・再試験料(不合格時)
・事務手数料
これらを合算して見積もる必要があります。
コース別の受講費用とその比較ポイント
以下は、岐阜県内や一般例でみられる講習費用の例です。
|
種類 |
例・範囲 |
|
技能講習(1トン以上) |
多くの例で 30,000 円~40,000 円台 が中心。例えば、加茂自動車学校では免許なし 5日間コースで 31,600 円。 |
|
特別教育(1トン未満) |
約 10,000 ~ 20,000 円前後 の例が多く見られます。 |
H2試験と修了についての詳細
講習を終えたら、修了証を得るための最終チェックである「修了試験」が待っています。技能講習・特別教育で扱いが異なる点を押さえておきましょう。
修了試験の内容と合格後に得られる修了証
■ 技能講習の試験
技能講習では、講習最終日に 学科試験・実技試験 が行われることが一般的です。
試験の内容例
・学科試験:安全知識、法令、機械構造・取扱法、点検方法など
・実技試験:フォークリフトの動作操作、荷役操作、狭所走行、障害物回避など
合格基準は教習所ごとに定められており、必ずしも全国一律ではありません。
試験に不合格だった場合、補習を受けて再試験という流れが多くあります。
合格すれば、フォークリフト運転技能講習修了証 が交付され、それが実務での運転資格を証明します。
■ 特別教育での修了証
特別教育では、必ずしも形式的な試験を設けない講習機関が多く、 講習を受け終えた時点で修了証を交付 という方式を採る場合があります。
ただし、講習機関によっては簡易な確認テストを行うこともあります。
修了証を得られれば、1トン未満のフォークリフト業務運転が可能になります。
フォークリフト免許を取得する前に知っておきたいこと
フォークリフトは、物流・建設・製造などの業界において不可欠な重機です。
その操作に必要なフォークリフト免許は、決して難易度の高い資格ではありませんが、正しい手順で講習を受講し、修了試験に合格することが求められます。
その一例が、岐阜県加茂郡富加町に本社を置く「有限会社太成ゴム工業」です。
フォークリフト免許をはじめとする各種技能講習や特別教育の取得支援が充実しており、未経験者でも安心して業務に取り組める環境が整っています。
入社後に働きながら必要な資格を取ることができるため、「手に職をつけたい」「安定した技術を身につけたい」と考える方には非常に魅力的な制度です。
